予防歯科・クリーニング
予防歯科についての当院のスタンスと体制
予防歯科というのは、虫歯や歯周病などの歯の病気の予防を専門とする診療科です。当院はこの予防歯科に重点を置いており、昨今の予防医療への意識の高まりに応えた治療をご提供できるよう努めております。以下では、予防歯科に関する当院の工夫とこだわりについてご説明致します。
① 予防歯科を専門とする「歯科衛生士」による計画的な処置
予防処置を歯科医院にて担当するのは、もっぱら歯科衛生士です。歯科衛生士は医師と同様に国家資格であり、虫歯や歯周病を予防するための知識や技術を豊富に持ち合わせています。
特に重度歯周病患者の方など、歯科衛生士と共に力を合わせ計画的に予防処置を進めてまいります。
② 2種類のスケーラーの使い分けによる丁寧清掃
歯の表面には様々な汚れが付着しており、それが歯垢や歯石、バイオフィルムなどとして虫歯や歯周病を招きます。そうした汚れを落とすための専門の器具がスケーラーです。これには超音波式と手動式の2種類がありますが、どちらも一長一短です。
当院ではこの2種類のスケーラーを使い分けることで歯面の汚れを丁寧に落としていきます。
超音波スケーラー
超音波によって振動することで、歯面の歯垢や歯石を広範囲にわたって取り除きます。
手動ハンドスケーラー
手動で歯面の汚れを落とす器具であり、時間や手間は掛かるものの精密な清掃を可能とします。
③スケーリング時にルーペやマイクロスコープを使用
一般的な歯科医院では、スケーリングは肉眼視野にて行われますが、当院では必要に応じて視野を数倍に拡大できるルーペや、最大20倍に拡大できるマイクロスコープを使用して行います。
歯の表面に付着した歯石は肉眼では見えますが、歯肉の奥深くにこびりついた歯石(歯肉縁下歯石)は肉眼ではなかなか把握しづらいため、マイクロスコープやルーペを使用したスケーリングは非常に効果的です。
位相差顕微鏡による口腔内の細菌チェックを実施しております
不動前デンタルオフィスでは、細菌を生きた状態で確認することができる位相差顕微鏡を用いて、口腔内の細菌チェックを実施しております。採取した口腔内の汚れを、位相差顕微鏡で観察することで歯周病の有無や細菌の量・種類を調べることが出来ます。肉眼では確認できない細菌の状態を知ることにより、適切な処置のご提案はもちろん、患者さまの予防や治療に対する意欲を高めていただけます。
口腔内の細菌について
通常、お口の中には、300~700種類の細菌が生息しており、歯をよく磨く人で1,000~2,000億個、あまり歯を磨かない人では4,000~6,000億個、さらにほとんど磨かない人では1兆個もの細菌がすみ着いていると言われています。
人間には常在菌がおり、細菌が存在することは普通で悪いことではありませんが、良い細菌と悪い細菌のバランスが崩れてしまうと、口腔内のトラブルの元になってしまいます。
害のない細菌がほとんどですが、虫歯の原因になる細菌、歯周病の原因になる細菌をはじめ、カンジダ菌、黄色ブドウ球菌、緑膿菌、肺炎桿菌、インフルエンザ菌など、全身疾患の原因菌も含まれていて、免疫力の低下とともに増殖し、病気を引き起こすこともあります。
虫歯や歯周病の予防・進行防止はもちろんですが、体全体の健康を維持していくためにも、定期検診・口腔ケアを心がけましょう。菌をゼロにすることはできませんが、定期的に検診をすることで、細菌の数を減らし、活動を抑えることはできます。
口腔内の細菌の状態を知りたい方は、お気軽にスタッフにお声かけください。細菌のチェックはもちろん、セルフケアのアドバイスや適切な予防処置をご提案いたします。
位相差顕微鏡による細菌チェックの手順
【手順1】 歯周病が進行してくると、歯周ポケットと呼ばれる隙間が深くなります。この歯周ポケットに溜まっているプラークを採取します。
【手順2】採取したプラークを、スライドと呼ばれる透明なガラスの板に置き、カバープレートをかぶせます。
【手順3】手順2で作成したプレパラートを、位相差顕微鏡に設置し観察します。
痛みなどの症状が出ていないうちだからこそ通院しましょう
虫歯や歯周病になってから慌てて病院へ通うより、腫れや痛み、出血などの症状の出ないうちから歯科医院での定期予防処置を受けるほうが確実です。不動前デンタルオフィスではただ歯をクリーニングするだけで終えるのではなく、カウンセリングによって生活上の「歯を悪くしかねない原因」を探り、適切な歯みがき方法や生活習慣の改善方法をレクチャー致します。虫歯などの罹患リスクを極力減らすためにも、一度ご相談ください。
歯みがきだけで虫歯や歯周病は予防できるのか?
毎日歯を習慣的にみがいているという方は、自分は虫歯などには縁がないと思っていらっしゃるかも知れません。ところが、歯みがきだけではそれらの病気を完全に防ぐことはできないのです。なぜなら、ブラッシングのみでは落としきれない「バイオフィルム(細菌の塊)」という汚れが存在するからです。
定期的な歯のクリーニングでバイオフィルム(細菌の塊)を取り除きましょう
バイオフィルムは、虫歯菌や歯周病菌などを含む口腔内の細菌が集合して形成されます。お口以外にも、お風呂や台所のヌメリなど、身近なところにバイオフィルムは存在します。
バイオフィルムはとても頑固な汚れですので、毎日のブラッシングでは取り除くことができません。形成されたバイオフィルムは細菌の温床となり、虫歯や歯周病リスクを高めるため、定期的に歯科医院で歯のクリーニングを行い、口腔内を清潔に保つことが重要です。
きちんとクリーニングすることで白く清潔な歯に
虫歯や歯周病の予防としては、その原因となる細菌を取り除くのが一番です。細菌は歯面に付着した歯垢を栄養源として繁殖しますし、そうした細菌の固まったものが歯石となるわけですから、歯科ではそれらの歯垢や歯石を徹底的に除去します。
この歯石は歯ブラシでみがいただけでは落ちないほど固いものですが、着色することで黄ばみの原因ともなっています。そこで予防歯科での処置として歯石を取り除けば、歯も本来の白さを取り戻します。
定期的な予防処置は、このように虫歯などの予防のみならず歯の白さをももたらしてくれるのです。
歯の清掃を動画で確認
▼不動前デンタルオフィスで実際に行った歯の清掃の様子を動画でご確認いただけます。
▼フロスによる歯間の清掃
▼タフトブラシによる奥歯の清掃
実は定期的に通院した方がお得!生涯治療費の比較例
(出典:日吉歯科診療所調べ)
上掲の画像は、ホームケアのみのケースと、歯科検診を受けて予防処置を行っていたケースとの、生涯治療費の比較の一例です。驚くべきことに、「痛いときだけ通院する」というほうが治療費が数百万円ほど高いという結果が出ています。また金額だけの問題ではなく、歯の保持具合も大きく変わってきますので、物を噛むときなどの快適さが違います。予防処置の重要性がわかります。
年を取ってから「歯を大切にしておけば」と後悔しないために
(出典:雑誌PRESIDENT(㈱プレジデント社調べ)
55歳~74歳の方々を対象としたアンケートによれば、70歳以降の方の後悔として、歯に関するものが1位となっています。加齢によって歯の欠損は次第に多くなっていきますので、食べたり話したりする際にも不便が生じてしまうのです。歯に問題のないうちは心配ないとお考えになるかも知れませんが、この先悔やむことのないように、歯科定期検診のご受診をなさっておくことをお勧め致します。
より多くの天然歯を維持してオーラルフレイルを予防しましょう
昨今、歯科業界では「オーラルフレイル」という、口腔機能の低下による身体の衰えが話題となっています。オーラルフレイルは、噛む・飲み込むなどのお口の運動機能が低下することで、栄養不足などから筋力の減少(サルコペニア)などが起こるため、将来的に介護が必要となる可能性が高い症状です。
将来、オーラルフレイルにならないよう、できるだけ若いうちから虫歯や歯周病予防に取り組み、天然歯の維持に努めましょう。
不動前・五反田で予防歯科の受診をお考えになっている方へ
以上のように当院では予防歯科という考えを重視しており、五反田以外からも様々な地域から多くの患者さんにご来院をいただいております。予防歯科を受診したい、今ある歯を大切にしたいという方は、どうぞお気軽に不動前デンタルオフィスまでご相談ください。